どうもkitajinです。1990年代と言えば、バブルが弾け、日本が浮かれ気分から一転、現実に引き戻される時代でしたが、それでもまだテレビ業界は調子が良く、勢いをそのままに多くのドラマを作っては僕たち視聴者に届けてくれていました。そんな中から、ボクが観てきたテレビドラマを作品を紹介していきたいと思います。
TVドラマ 1990年編❶ 10選

世にも奇妙な物語
「世にも奇妙な物語」は、1990年にフジテレビ系列で現在も不定期で放送されているオムニバスドラマです。
ドラマの内容――レギュラー放送は一時間に三話収録のオムニバスストーリーで、内容は、現実世界から奇妙な世界に迷い込んだ、というような話を取り扱ったものです。
奇妙な世界をどのように演出するのかが、物語の面白さではないでしょうか。
様々な、奇妙な目に合う主人公を描いたオムニバスストーリーは、昔からアメリカにあったトワイライトゾーンやヒッチコック劇場などが有名です。
毎回、ストーリーテラーが出て来て、話の始まりと終わりに作品の雰囲気を伝えるのも、それらの系統を踏んでいます。
刑事貴族
「刑事貴族(でかきぞく)」は1990年から1992年まで、日本テレビ系列で放送されていた刑事ドラマです。(第一シリーズは主演が舘ひろし、郷ひろみであったが、第二シリーズ以降、水谷豊になる。)
ドラマの内容――架空の警察署を舞台に刑事たちの活躍を描いた、太陽にほえろの流れを汲んだ刑事ドラマです。
主演が交代したより、物語の雰囲気が途中からガラリと変わり、それぞれの主役でも十分面白かったですが、やはり水谷豊の個性がこの刑事貴族のタイトルにもマッチしていて、「3」まで続いたのだと思います。
あなただけ見えない
「あなただけ見えない」は、1992年にフジテレビ系で放送されたサスペンスドラマです。
ドラマの内容――とある財閥の当主の遺産を受け取ることとなった相続人を姉に持つ主人公が、その財閥に関わる人々との遺産相続の問題に巻き込まれていくというストーリーです。
登場人物がどのような役割を果たしていくのか、二転三転していくお話です。
特に主人公の女性を襲う財閥に雇われた弁護士の男と、その弁護士から彼女を守った若いプログラマーは、実は多重人格の同一人物だったことが後に分かったりして、誰が味方か、敵かが最後まで分からない内容となっています。
それに加え、癖のある登場人物たちや残酷な出来事に翻弄され、主人公はどんどん逃れられなくなっていくのだが、多重人格の青年を愛してしまったことにより、自ら危険へと足を踏み入れていくのです。
ずっとあなたが好きだった
「ずっとあなたが好きだった」は、1992年にTBS系列で放送されていた恋愛ドラマです。
ドラマの内容――マザコン男と結婚した女性が、その母親と夫の関係の中で疲弊して、元恋人に縋っていくというストーリーです。
母と息子のいびつな絆を強烈に描き出したことによりヒットしたドラマで、極端なマザコン男性を「冬彦さん」と呼ぶ社会現象まで起こしました。
冬彦さんを演じた佐野史郎の怪演がよかったから、ここまでヒットしたのだと思います。
このように、ある特異な性癖や性格を言葉にして際立たせることにより、ドラマにしていくことが1990年代から目立つようになったような気がします。
「マザコン」をはじめ、「ストーカー」「セクハラ」などがテーマのドラマが数多くつくられました。
高校教師
「高校教師」は、1993年に放送されTBSで放送されたた恋愛ドラマです。
ドラマの内容――とある高校を舞台にした教師と生徒の恋愛を描いた作品で、様々な事で悩む十代の心に生徒としてではなく、一人の男性として踏み込んでしまったことにより、悲劇が訪れるといったストーリーです。
タブーとされる教師と生徒の恋愛話をはじめ、このドラマにはいくつものタブーを取り上げられていて挑戦的なドラマでした。
主題歌がまた切なくて物語とマッチしていたのを覚えています。
1970年代を中心に活動していた森田童子の「ぼくたちの失敗」という曲を聴くだけでもドラマの世界観が伝わると思いますので是非。
竜馬におまかせ
「竜馬におまかせ!」は、1996年に日本テレビ系列で放映された時代劇ドラマです。
ドラマの内容――幕末の英雄、坂本龍馬を三谷幸喜の脚本、ダウンタウンの浜田雅功が坂本竜馬を演じるというバラエティー色が強いドラマでした。
「何で竜馬が関西弁やねん」というツッコみがドラマ内でも入るくらい、坂本龍馬を浜ちゃんが演じているというより、浜ちゃんが坂本龍馬を演じていて、内容も浜ちゃんのキャラクターを乗っけるようなストーリーでした。
当時、ダウンタウンは破竹の勢いで、浜田雅功はドラマに、歌に、自伝本にと大ヒットを飛ばしていて、安易にヒットメーカー同士を組み合わせれば売れるだろう、といった感じがするようなドラマでしたが、個人的にはダウンタウン世代だったので大いに楽しい作品でした。
竜馬ファン、歴史ファンにとっては、なんじゃこりゃという作品なのは間違いありませんが、そういう崩したお話があるのも創作の良いところではないでしょうか。
ラブジェネレーション
「ラブ ジェネレーション」は、1997年にフジテレビ系列で放送されていた恋愛ドラマです。
ドラマの内容――広告代理店で働く主人公は、突然移動を命じられ、飛ばされた部署にいた後輩の女性社員とめぐり会う。最初は衝突していたが、次第に恋愛感情が目覚め、互いに引かれてあいカップルになり、些細なすれ違いで破局したりヨリを戻したりするストーリーです。
いわゆる「月9」のトレンディードラマといった感じのお話ですが、それまでカップル成立を最終話まで引き伸ばすのが定番だったのが、この作品ではドラマ中盤で主人公とヒロインは付き合い始めます。
しかし、それは若者にありがちな恋愛感情に過ぎず、すれ違いがあり、やがて別れが来る。しかし、別れてみるとお互いが本当に必要な相手だったことが分かるというお話です。
主演は木村拓哉と松たか子で、「ラブジェネ」と略されて呼ばれるほど、当時はヒットを飛ばしました。
ショムニ
「ショムニ」は、1998年からフジテレビ系で放送されたドラマのシリーズです。
ドラマの内容――ショムニとは、庶務二課のことで、このドラマでは、どうしようもないお荷物社員の吹き溜まりのような部署のことをさします。
そこには、六人のダメ社員と烙印を押されたOLと課長と課長が飼っている猫がいるだけで、仕事と言えば、各部署の備品を補充したり、会社の電球を交換したり、社内の催し事の準備をするだけです。
ところがそんなダメな社員が、こと会社の重大事になると、一致団結してそれぞれの特技を活かして会社のピンチを救ったり、社員の悩みやもめ事を解決するといった内容になっています。
このドラマの面白いところは、会社重大事を解決するために動いているのではなく、自分たちがしたいこと(お花見だったり、運動会だったり)のために動いて、結果問題を解決してしまうところにあります。
それと、OLたちのボス的存在の主人公、江角マキコ演じる坪井千夏と、五人のOLたちが決して会社に使われているのではなく、居てやっているというスタンスで、クビになろうがへっちゃらといった力強さもウケた要因となっています。
当時はまだ、社員は会社のために忠誠を誓うといった考え方が根強くあったのを、主人公たちは「会社は社員を幸せにするためにある」と言い切ったところも、時代の先端をいっていたドラマだなと思います。
神様もう少しだけ
「神様、もう少しだけ」は、1998年にフジテレビ系列で放送されていた恋愛ドラマです。
ドラマの内容――人気音楽プロデューサ―のコンサートにどうしても行きたい女子高生の主人公は、援助交際をしてそのお金を工面します。
そして、コンサートの帰りにそのプロデューサーと運命的な出会いをして、その夜、二人は関係を持ってしまいます。
しかし、後日、援交の相手が自分はエイズにかかっていると主人公に打ち明けます。
そのことを知った主人公はそのときについ合い始めていたプロデューサーに事実を告げるのでした。
当時はエイズがマスコミでも騒がれていた時代で、それを真正面から取り上げたドラマでした。
また女子高生の援助交際問題もマスコミを賑わしており、両者をミックスした斬新な脚本で大ヒットを飛ばしました。
今では描けない作品だからかもしれませんが、少女のひたむきな愛情を描いた純愛ドラマだと思います。
ケイゾク
「ケイゾク」は、1999年にTBS系列で放送されていたミステリードラマです。
ドラマの内容――ケイゾクとは、迷宮入りした事件を担当する部署が舞台の刑事ドラマです。しかし、従来の刑事ドラマと一線を画し、一話ごとに事件を解決していくのだが、その陰に隠れた殺人犯の姿を追っていくという伏線ストーリーとなっています。
主人公は頭はいいが、日常生活に難がある東大卒のエリート女刑事と、彼女のお目付け役であるぶっきらぼうで直情的な刑事とのコンビが様々な難事件を解決していきます。
毎回、独特の演出やコメディタッチの描写があり物語を彩りますが、それさえも最終話へと物語を進めていく要素となっています。
このケイゾク、最後がどうなったのか気になる視聴者も多く、その続編となる、世界観を引き継いだSPECが出来たのはご存じの通りです。
まとめ
1990年代と言えば、バブルが弾け、ボクが未成年から成人へと移行した時代です。勢いだけのトレンディードラマが時代と共に廃れ、新たな試みをしなくてはという創意工夫がみられる時代でもありました。そんな中で、登場人物や作品の内容も不安定な時代を象徴するようなものに変わっていきます。従来の美男美女だけでなく、性格がおかしかったり、状況がおかしかったりというような変わり種ドラマが多く現れました。それもまたバブルの崩壊が原因なのかもしれません。